概要
'''ユビキタス'''という言葉は、他の言葉と組み合わせて使うことが多く、意味する範囲が明確に定義されているとは言いがたい。近年流行の
バズワードのひとつとして使われている。現在、以下のような使い方をされている。
ユビキタスコンピューティング
コンピュータということを人に意識させないで、人の生活を支援する技術、環境。
コンピュータ本体だけでなく、各種デバイス、端末を含む。
ユビキタスネットワーク
コンピュータ同士が自律的に連携して動作することにより、人の生活を支援する技術、環境。
開発中の技術('''
センサーネットワーク'''等)だけでなく、既存の技術(
インターネット、'''Web2.0''')を含む。
ユビキタス社会
ユビキタスの技術により、人が人らしく支援を受ける社会。
'''ユビキタスネットワーク社会'''、'''ユビキタス情報社会'''と表現する場合もある。
歴史
始まり:'''ユビキタス'''という言葉は、ラテン語の宗教用語であり、「神はあまねく存在する」という意味である。1991年に米ゼロックス (XEROX) 社パロアルト研究所のMark Weiserが論文
[Mark Weiser, "[http://www.ubiq.com/hypertext/weiser/SciAmDraft3.html The Computer for the 21st Century" Scientific American,Vol 265 pp. 94-, Sep. 1991.]に発表したのが最初といわれている。このとき彼は、'''ユビキタス'''という言葉の持つ『神の遍在』という意味を込めた訳ではなかった
[石井裕「特別寄稿 ユビキタスの混迷の未来"」『ヒューマンインターフェース学会誌』Vol4 (2002) p.p.129-130.]。究極のインタフェースの理念は、それが何台のコンピュータであるとか、どのように接続されているかといった事象とは別の概念であることを強調したのだった。後に『遍在』という言葉が独り歩きしてしまったため、Weiserは"Calm Technology"
[[http://sandbox.xerox.com/hypertext/weiser/calmtech/calmtech.htm "Calm Technology"([http://sandbox.xerox.com/weiser/ Wiserのwebsiteより)]という言葉を使うようになった。
日本におけるユビキタスの萌芽 (TRON)
:Mark Weiserの'''ユビキタス'''論文より数年前の1984年に、
坂村健(当時東京大学助手、現教授)は
TRONプロジェクトを起こした。これが日本における'''ユビキタス'''の始まりとされている。
:TRONでは、
電脳住宅などユビキタス社会に繋がる実証実験が行われた。
日本におけるユビキタスの変遷
:坂村健は、TRONプロジェクトで電脳社会を実現するものとして、『どこでもコンピューター』という考えを提唱した。これが、「ユビキタス・コンピューティング」という言葉が日本に入ってきたときに受け入れる下敷きとなり、現在でもユビキタス社会を表現する言葉の1つとなっている。
国立国語研究所では、ユビキタスを表現する言葉として、「時空自在」と言い換える提案がなされたが、『時空を飛び越えて、どこにでも行くことができる
タイムマシンのようだ』との批判が多く、現在も検討中となっている。最近では、「ユビキタス」を表す言葉として『いつでも、どこでも、だれでも』という言葉が、ユビキタスと共に使われることが多い。
「ユビキタス」に関する規格化、標準化
:「ユビキタス」の厳密な定義は、ユビキタスに関するコンソーシアム、各研究機関、政府機関で検討、提案されてきたが、規格化されてはいない。
:世界標準機構であるW3Cでは2006年、「ユビキタス」に関するワークショップを設立し、国際基準の規格化に乗り出した。2007年4月に、W3CのWGが日本に設立された。「ユビキタス」の規格化、標準化へ向け、日本の各活動組織との連携が行われている。
ユビキタスと"ubiquitous"
:日本では"ubiquitous"の英語の元の意味である「遍在する」という意味
[EXCEED 英和辞典"ubiquitous"[http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=ubiquitous&search_history=&kind=ej&kwassist=0&ej.x=32&ej.y=11&ej=%B1%D1%CF%C2&mode=0]を離れ、インターフェイス、環境、技術を念頭に置いた使い方(例えば、ユビキタス社会など)が1990年代後半から2000年代初頭にかけてよく見られるようになった。2002年には「情報通信白書」などにも見られるようになり、一般にも広く浸透するようになった
[[http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/index.html 「情報通信白書」]。
:一方、国際的にも"ubiquitous"のこの用法が研究者間でしばしば使われるようになった。2006年にはW3Cが"W3C Workshop on the Ubiquitous Web"
[[http://www.w3.org/2005/10/ubiweb-workshop-cfp.html W3C Workshop on the Ubiquitous Web]というワークショップを開き、国際基準の規格化に乗り出している。
:なお"ubiquitous"は形容詞であり、名詞として使う場合は "ubiquity"であるので、日本語で「ユビキタス」を含む文章やタイトルを英訳する場合は注意を要する。
デバイス開発によるユビキタス
:
RFID
用語の起源
ラテン語で'''Ubique'''とは、「'''遍く'''」(△「'''いつでも、どこでも'''」)を表す一般的な用語であるが、英語の'''ubiquitous'''には、「'''神は遍在する'''」という宗教観がある。欧米では「
唯一神」が遍在するのに対し、伝統的日本の神は
八百万の神であるということで、日本的ユビキタスを意識した、やおよろずプロジェクト
[[http://www.8mg.jp/ やおよろずプロジェクト](2003年度~2005年度)が生まれた。
今日では、ユビキタス社会に遍在するのは'''サービス'''であるとの認識から、ユビキタスと'''神'''を結び付けることはなくなった。
"quod semper, quod ubique, quod ab omnibus" :-> forever, everywhere, and for everyone
ユビキタスの実証実験など
愛・地球博実証実験
銀座実証実験
神戸実証実験
熊本実証実験
[http://www.fujitsu-general.com/jp/news/2006/08/06-N02-11/ UBWALLイオンモールと共同で新たなインフォメーションサービスを実証開始(Fujitsu)
ユビキタス特区
[http://www.geonews.jp/kochi/ 高知ユビキタス防災立国
脚注
関連項目
アンビエント
ユビキタスネットワーク
u-Japan
日立製作所
日本電気(NEC)
クロスボー
ICタグ
センサネットワーク
ウェアラブルコンピュータ
坂村健(
東京大学)
舘暲(東京大学)
徳田英幸(
慶應義塾大学)
TRONプロジェクト/TRON
野村総合研究所
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